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価値は各々で見出してください

曙橋とフジテレビとハンバーグ

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土曜の昼12時、新宿区曙橋駅の駅前。

この駅、かつては「フジテレビ前」と称されていた様に、近くの河田町に存在したフジテレビの旧社屋の最寄駅だったそう。

 

そもそも今日はここに来る予定はなかった。元々は来週移転のため閉店する西永福のカレー屋に行くつもりであった。だが、たまたま店にいた友人のTwitterより、行列ができていると発覚。小さな店で売り切れになることも度々あるので、泣く泣くアタックは別日に変更。昼食の当てがなくなったので、とりあえず次の駅で降りた。

それが曙橋だった。

 

この近くにフジテレビがあった頃というのは、フジテレビの黄金時代だったそうだ。当時のことは知らないが、『オレたちひょうきん族』『笑っていいとも!』『とんねるずのみなさんのおかげでした』といった番組が生まれたと聞くと、その勢いは想像に難くない。テレビとこの街には活力があった。

 

駅を出て直ぐ、一軒の店が目に飛び込んできた。

 

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 「MORGAN」という喫茶店。メニューを見てみると、カレーの文字がある。直感を信じて入店。

昔ながらの喫茶店らしい店内。切り盛りするのはベテランのマスターと女将の2人(30年以上営業しているとのこと)。始めて来る店なのに、妙に落ち着く。

当初の予定通りカレーを頼もうとしたが、ふと周りを見ると、ほとんどの客がハンバーグを食べている。メニューに目を戻すと、店名を冠した「モーガンランチ」もハンバーグと照り焼きチキンのセットだ。これは郷に従うべきだ、と思い、モーガンランチを注文。

暫くすると、ハンバーグのタネから空気を抜く音が聞こえてきた。両手の間でタネを打ち付けるあの音。小気味良いBGMに耳を傾けていると、セットのサラダと味噌汁が運ばれてきた。

 

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サラダを一口食べてみると、キャベツのシャキシャキ感がしっかりと感じられる。喫茶店に限らず、洋食ランチのサラダは死んでいることも少なからずあり、その場合メインも大したことない。セットサラダが生きているという事実は、この店の揺るぎない信頼へと繋がった。

 

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そして、メインが到着。箸を入れると驚く程柔らかい。口に入れると大量の肉汁が広がる。旨い。玉ねぎがしっかり感じられる点も自分好みの味である。

チキンの方は、醤油っ気の強い香ばしいタイプの照り焼き。これまた白飯が進む味である。

食べながら、当時のフジテレビ社員もこのメニューを食べたのかな、と考えてみたりする。お台場にはこういう店も無さそうなので、ちょっと勿体ないと感じていたりするのだろうか。

 

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食後のコーヒーも頂き、ご満悦で退店。御馳走様でした。

 

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帰り際に旧社屋の存在した場所に行ってみたら、高層マンションへと変貌していた。

黄金時代を感じさせるものには、とうとう出会えなかった。

 

先日、『とんねるずのみなさんのおかげでした』の終了が発表された。これで黄金時代のフジテレビの番組は全て終わってしまうことになる。

帰って8chを付けたら漫才の番組をやっていた。実力のある若手中心で面白く観ることができた。

興味深いので、これからのフジテレビがどうなるかは、長い目でぼんやりと見ていきたい。ひょっとすると数十年後まだ黄金時代を迎えているかもね。その時にはお台場にできているであろう老舗の喫茶店でハンバーグでも食べよう。